内容を無断で複写転載することは著作権の侵害になります

母の短歌      夢幻・無限

これ程の辛い思いをしなければ 人の痛みが分からないとは

兄の棺二男静かに扉開け 涙ぐんでた我忘れない

三男は何度も棺開け泣いていた 次の日も又焼き付けるように

出棺の前に上から抱き締めた 「もう離さない」そう云いたくて

母達の情けの網にひっかかり 引き上げられて息吹き返す

お前逝き母は人生変わったよ 霊の世界をよく考える

この風呂にお前を抱いて入ったと 思えば辛い愛していたのに

子を想ふ炎に焼かれ天にでも 昇りたいけど停まっている

我が生を恨み吐き気は止まらない 誰も恨めず自分を恨む

「皆いて御飯食べるの幸せだ」 我言ったのはつい先年です

絶対に子供を死から守ろうと 意識の外に「死」を出していた

あの日から時は動かずたゆたひて 友の心に生かされし我

久しぶり遺影ながめてなでました 夢に出たよね有難うって

可愛いと思い育てていた事を お前分かってくれてたのかな

りんごの木見ればお前を思い出す 父と散歩し写真撮ったね

絶望の果てに出て来る我が短歌 命の泉かも知れません

目覚めたら「お母さん」って聞こえたよ お前は何か言いたいのかな?

夢の中お前も居たよね幼児の顔 もう会えないと思いつつ見た

愛し子は今どこにいて何してる 我に見る目があればいいのに

まどろみの中でお前の事思い 自分の脇に寝かしつけてる

人生は人と比べるものでなく 自己の成長図るものです

あなたにもしこういう事が起きたなら どうしますかと人に問いたい

絶対に死んじゃいけない我が子死ぬ それがどんなに口惜しい事か

弟と遊ぶお前の夢見た 幼児の頃の声も聞こえた

inserted by FC2 system